息苦しい・深呼吸しにくいのはなぜ?暑さと自律神経の関係

息を吸っているのに、 どこか物足りない。
そう感じるのは、 あなたの体力不足のせいではありません。
整体師として23年、 のべ10万人以上の体と向き合ってきて、 そう確信しています。
深呼吸をしようとしても、 途中で止まってしまう。
胸のあたりが、 浅くしか動いていない気がする。
エアコンの効いた室内から 外に出た瞬間、 一瞬、息が詰まる感覚がある。
暑い時期になると、 決まってこの感覚が強くなる。
そんな経験はありませんか。
「暑さでバテているだけだろう」 そう思って、 やり過ごしている方が少なくありません。
でも、本当の理由は、 もっと別の場所にありました。
■ のべ10万人と向き合って、わかったこと
夏になると、 「息苦しい」というご相談が 増える印象があります。
以前の私は、 背中や胸まわりを ほぐすことしか 知りませんでした。
施術中は、 呼吸が少し楽になる方も いらっしゃいます。
でも、外に出て 暑さにさらされると、 また同じ息苦しさが戻ってくる。
そんなお話を伺いながら、 「暑さと呼吸の浅さは、 思っている以上に 関係しているのかもしれない」 と感じるようになりました。
■ 転機は、東洋医学との出会い
転機があって、東洋医学の考え方を 取り入れるようになってから、 見え方がガラリと変わりました。
夏に息苦しさを感じやすい方の 多くに共通していたのが、
本当の理由は「肺(はい)」の バランスの乱れにあるかもしれない、 ということでした。
はい、また出てきましたね。肺。
肺の病気の話ではありません。
東洋医学でいう「肺」は、 呼吸を通じて気を巡らせる働きを含む、 もう少し広い意味の言葉です。
■ 東洋医学でいう「肺」と夏の息苦しさ
東洋医学には、 「暑さは、体のエネルギーを 消耗させやすい」 という古くからの考え方があります。
汗を多くかくことで、 気力や潤いが失われやすく、
その影響が、 呼吸を担う肺にも 及びやすいとされています。
肺の働きが弱ると、 呼吸が浅くなりやすく、
深く息を吸おうとしても、 途中で止まってしまう感覚に つながりやすい、と考えられています。
現代的に見ても、 猛暑と冷房の効いた室内を 何度も行き来することは、
自律神経にとって 大きな負担になりやすく、
呼吸の深さや リズムにも影響を 与えると考えられています。
この肺の働きが乱れやすくなる要因として、 次のようなものが挙げられています。
・暑さによる気力の消耗 ・冷房と外気温との差 ・汗をかいたあとの水分不足 ・自律神経の乱れ
■ 経絡(けいらく)から見る「肺」と呼吸の関係
東洋医学では、体には 「経絡(けいらく)」という、 エネルギーの通り道のようなものが 全身に張り巡らされていると考えます。
なかでも、胸のあたりから 腕の外側を通って 親指まで続く経絡が、
「肺」と深く関わっているとされています。
この経絡の上、 ひじの内側にある 「尺沢(しゃくたく)」というポイントは、
古くから、呼吸を 楽にしたいときに 使われてきた場所として知られています。
また、手首、親指側にある 「列欠(れっけつ)」というポイントも、
喉や胸のつまりを やわらげたいときに よく知られています。
■ 体に現れる「肺」のサイン
問診をしていく中で、 息苦しさを訴える方には、 いくつかの共通点があることに気づきました。
・胸が浅く上下するだけの呼吸になっている ・深呼吸をすると、軽く咳が出る ・声が続きにくいと感じる ・だるさが抜けにくい ・汗のかき方が、急に多くなったり少なくなったりする ・肩や首まわりが常にこわばっている
こうした体のサインは、 肺の働きが乱れやすい状態と 関連していることがある、と私たちは考えています。
なお、息苦しさが急に強くなる、 胸の痛みや動悸を伴う、 意識が遠のく、といった場合は、
心臓や呼吸器の病気、 熱中症の初期症状などが 隠れていることもあるため、
すぐに医療機関を 受診することが大切です。
■ 全身のバランスから整えるという視点
ひふみ整体では、 「息苦しさ」という結果だけを見るのではなく、 体全体のバランスを確認することを大切にしています。
具体的には、丁寧な問診と触診を通じて、 今、体のどこに一番負担が かかりやすい状態にあるのかを確認します。
そのうえで、東洋医学の経絡の考え方も取り入れながら、
姿勢・呼吸・自律神経・肺を含む内臓の状態など、 体全体を見ながらコンディションを整えていきます。
局所だけをほぐしても、 また同じことの繰り返しになってしまう。
だからこそ、体全体を一つのつながりとして捉える視点が 欠かせないと、10万人以上の方と向き合う中で実感してきました。
胸まわりをほぐすことも、 もちろん大切なケアのひとつです。
ただ、それだけで終わらせず 「なぜ、呼吸が浅くなりやすいのか」 まで確認していく。
そこまで見て初めて、体全体のコンディションを 整えるお手伝いができると考えています。
■ ご自宅でできる小さなセルフケア
日々の生活の中でも、 意識していただきたいことがあります。
・涼しい場所で、ゆっくり深呼吸をする時間をつくる
・寝る前に、ひじの内側の尺沢を軽くさすってみる
・こまめに水分と塩分を補給する
・冷房の設定温度を、外気温との差が大きくなりすぎないようにする
小さな習慣ですが、 肺への負担を減らす一つの手がかりになると 考えられています。
■ 一人で頑張らなくて大丈夫です
セルフケアは大切ですが、 それだけでは追いつかないと感じる時期もあると思います。
「毎年この時期になると、 息苦しさに悩まされる」
そんな状態が続いているなら、 それはあなたの体力不足ではありません。
体全体からのサインかもしれません。
セルフケアを試してみてもなかなか変わらないと感じたら、 一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
ひふみ整体では、全身整体を通じて、 体全体のバランスを確認しながら、 あなたのコンディションづくりに寄り添います。











