「ちゃんと話したいのに言葉が出ない…」体の緊張という視点から考える

伝えたいことがあるのに、 喉のところで言葉が止まってしまう。

そう感じるのは、 あなたの伝え方が 下手だからではありません。

整体師として23年、 のべ10万人以上の体と向き合ってきて、 そう確信しています。

大事な話をしようとすると、 喉の奥がぎゅっと詰まる感覚がある。

言いたいことは頭の中にあるのに、 声にする直前で 止まってしまう。

会議や面談のあとになって、 「本当はこう言いたかったのに」 と後悔することが多い。

そんな経験はありませんか。

「自分は口下手なんだろう」 そう、ご自身を責めていらっしゃる方に、 これまで数えきれないほどお会いしてきました。

でも、本当の理由は、 もっと別の場所にありました。

■ のべ10万人と向き合って、わかったこと

長年この仕事をしていると、 不思議と気づくことがあります。

「言いたいことがあるのに、 喉のところで止まってしまう」

そうおっしゃる方に共通して、 首や肩に、 独特のこわばりがあるのです。

駆け出しの頃の私は、 そのこわばりをほぐすことこそが、 すべての答えだと思っていました。

実際、施術中は 呼吸も緩み、 表情もやわらかくなります。

けれど、いざ人前で話す場面になると、 また同じように言葉に詰まる。

何人、何十人と 同じパターンを見ていくうちに、

「これは、 筋肉だけの問題ではなさそうだ」 と思うようになりました。

■ 転機は、東洋医学との出会い

転機があって、東洋医学の考え方を 取り入れるようになってから、 見え方がガラリと変わりました。

言葉が出にくい、 喉が詰まるという方の 多くに共通していたのが、

本当の理由は「肝(かん)」の バランスの乱れにあるかもしれない、 ということでした。

はい、また出てきましたね。肝。

肝臓の病気の話ではありません。

東洋医学でいう「肝」は、 気持ちの巡りをスムーズに保つ働きを含む、 もう少し広い意味の言葉です。

■ 東洋医学でいう「肝」と喉の詰まり

東洋医学には、 「梅核気(ばいかくき)」 という古くからの考え方があります。

これは、喉に梅干しの種のような 何かが引っかかっている感覚を指す言葉で、

検査をしても、 特に異常が見つからないことが 多いとされています。

東洋医学では、この感覚の背景に、 気持ちを言葉にできずに 飲み込んできたことが、

肝の巡りを滞らせ、 その滞りが喉のあたりに 現れやすい、と考えられています。

言いたいことを我慢する場面が 積み重なるほど、

このつかえを感じやすくなる、 というのが東洋医学の考え方です。

現代的に見ても、 緊張する場面では 交感神経が優位になりやすく、

喉や首まわりの筋肉が こわばりやすくなるため、

声を出す動きそのものが スムーズにいかなくなる、 と考えられています。

この肝の働きが乱れやすくなる要因として、 次のようなものが挙げられています。

・言いたいことを我慢しやすい性格傾向 ・我慢や気疲れの積み重ね ・緊張しやすい場面が多いこと ・自律神経の乱れ

■ 経絡(けいらく)から見る「肝」と喉の関係

東洋医学では、体には 「経絡(けいらく)」という、 エネルギーの通り道のようなものが 全身に張り巡らされていると考えます。

なかでも、足の親指から すねの内側、脇腹を通り、 喉の近くまで続く経絡が、

「肝」と深く関わっているとされています。

この経絡の上、 足の甲、親指と人差し指の間あたりにある 「太衝(たいしょう)」というポイントは、

古くから、気持ちの高ぶりを 落ち着けたいときに 使われてきた場所として知られています。

また、喉仏の下あたりにあるポイントも、

喉の詰まった感じを やわらげたいときに 昔から知られています。

■ 体に現れる「肝」のサイン

問診をしていく中で、 言葉が出にくいと訴える方には、 いくつかの共通点があることに気づきました。

・話す前に、一呼吸置かないと声が出ない ・喉や首の、特に片側だけがこわばっている ・大事な場面になると、声が小さくなる ・飲み込みにくさを感じることがある ・脇腹や肋骨まわりが張っている

こうした体のサインは、 肝の巡りが乱れやすい状態と 関連していることがある、と私たちは考えています。

なお、言葉の出にくさが急に始まった、 ろれつが回らない、 片側の手足に力が入りにくい、 といった場合は、

すぐに医療機関を 受診することが大切です。

また、喉の詰まりが長く続く場合は、 念のため耳鼻咽喉科で 検査を受けておくと安心です。

日常生活に支障が出るほど 不安や緊張が強い場合は、

心療内科など専門機関への 相談も選択肢のひとつです。

■ 全身のバランスから整えるという視点

ひふみ整体では、 「言葉が出にくい」という結果だけを見るのではなく、 体全体のバランスを確認することを大切にしています。

具体的には、丁寧な問診と触診を通じて、 今、体のどこに一番負担が かかりやすい状態にあるのかを確認します。

そのうえで、東洋医学の経絡の考え方も取り入れながら、

姿勢・呼吸・自律神経・肝を含む内臓の状態など、 体全体を見ながらコンディションを整えていきます。

首や喉まわりをほぐすことも、 もちろん大切なケアのひとつです。

ただ、それだけで終わらせず 「なぜ、喉が詰まりやすい状態が 続いているのか」まで確認していく。

そこまで見て初めて、体全体のコンディションを 整えるお手伝いができると考えています。

■ ご自宅でできる小さなセルフケア

日々の生活の中でも、 意識していただきたいことがあります。

・話す前に、一度ゆっくり息を吐いてみる

・寝る前に、足の甲の太衝を軽くさすってみる

・湯船に浸かりながら、首をゆっくり左右に倒す

・言いたいことを、一度紙に書き出してみる

小さな習慣ですが、 肝への負担を減らす一つの手がかりになると 考えられています。

■ 一人で頑張らなくて大丈夫です

セルフケアは大切ですが、 それだけでは追いつかないと感じる時期もあると思います。

「本当は伝えたいのに、 うまく言葉にできない」

そんな状態が続いているなら、 それはあなたの伝え方が 下手だからではありません。

体全体からのサインかもしれません。

セルフケアを試してみてもなかなか変わらないと感じたら、 一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

ひふみ整体では、全身整体を通じて、 体全体のバランスを確認しながら、 あなたのコンディションづくりに寄り添います。

 

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