ジストニアとストレスの関係―体の緊張・呼吸・自律神経という視点から

ジストニアとストレスの関係―体の緊張・呼吸・自律神経という視点から
整体師として23年、のべ10万人以上の体と向き合ってきて、気づいたことがあります。
ジストニアの症状を持つ方の多くが、「ストレスの多い場面で症状が強くなる」と感じておられる、ということです。
今日は、ジストニアとストレスの関係について、体の緊張・呼吸・自律神経という3つの視点から整理してみたいと思います。
まず、大切なお願いです
本題に入る前に、必ずお伝えしたいことがあります。
ジストニアは、脳からの運動の指令がうまく調整されず、特定の動作のときに筋肉が過剰に緊張してしまう神経系の状態です。原因はまだ完全には解明されていない部分も多く、症状の現れ方や重さも人によってさまざまです。
*症状に心当たりがある場合は、自己判断をせず、まず神経内科など専門の医療機関で適切な評価を受けることが何よりも大切です。
*この記事は、診断や治療に代わるものではなく、あくまで体の緊張という側面から、日常生活のヒントをお伝えするものです。
なぜ「ストレスが強いと症状も強くなる」と感じるのか
ジストニアそのものの原因はストレスではありません。ですが、多くの方が「緊張する場面ほど症状が出やすい」と感じておられるのも事実です。この理由を、体の仕組みから見ていきます。
視点①:体の緊張
ジストニアは、特定の動作をするときに、必要以上に筋肉が緊張してしまう状態です。ここに、日常的な体全体の緊張が重なると、症状が強く出やすくなることがあります。
たとえば、緊張する場面が近づくと、無意識に肩がすくみ、呼吸が浅くなり、体全体がこわばります。この「土台の緊張」の上に、ジストニアによる局所的な緊張が加わることで、より強い症状として表れやすくなる、と考えられています。
体全体の緊張を日頃からゆるめておくことは、症状そのものを治すことにはなりませんが、症状が出やすい状況の負担を減らす助けになる場合があります。
視点②:呼吸
緊張すると、呼吸は自然と浅く、速くなります。呼吸が浅い状態は、自律神経のバランスにも影響し、体を「臨戦態勢」のままにしてしまいます。
「書こうとした瞬間に、息を止めていることに気づいた」という声を、これまで何度も聞いてきました。無意識に呼吸を止めてしまうことで、体全体の緊張がさらに強まりやすくなります。
呼吸を意識的にゆっくり、深くすることは、体を「臨戦態勢」から少しずつ切り替えていく、数少ない自分でできる方法のひとつです。
視点③:自律神経
体には、活動時に働く「交感神経」と、休息時に働く「副交感神経」があります。ストレスを感じる場面では交感神経が優位になり、体全体が力む方向にスイッチが入ります。
この状態が続くと、体は常に「緊張のベースライン」が高いまま過ごすことになります。ジストニアの症状が出やすい動作のときに、すでに体全体の緊張が高い状態からスタートしてしまう、というイメージです。
自律神経のバランスを日常的に整えておくことは、症状の重さそのものをコントロールするものではありませんが、日々の負担を軽くする一助になり得ると考えられます。
3つの視点は、つながっています
体の緊張・呼吸・自律神経は、それぞれ独立したものではなく、お互いに影響し合っています。
体が緊張する→呼吸が浅くなる→交感神経が優位になる→さらに体が緊張する。
このような循環が、日常の中で無意識に繰り返されていることがあります。だからこそ、どこか一箇所だけでなく、体全体としてこの循環にアプローチすることが大切だと、私たちは考えています。
今日からできること、3つ
① 緊張する場面の前に、深呼吸を1分 鼻から4秒吸って、口から8〜9秒かけて吐く。交感神経の急激な立ち上がりを、少しやわらげる助けになります。
② 一日の中で、意識的に肩の力を抜く時間をつくる 1時間に一度、両肩を持ち上げてストンと落とす。土台の緊張を、こまめにリセットする習慣です。
③ 「症状が出ても大丈夫」という前提で過ごす 症状への不安そのものが、緊張を強める要因になることがあります。完璧を求めすぎず、症状と共存する前提で日常を過ごすことも、体の緊張をやわらげる一歩になります。
医療機関とセルフケアは、両輪です
繰り返しになりますが、ジストニアの診断・治療は、必ず神経内科など専門の医療機関にご相談ください。ボツリヌス療法など、医学的に確立された治療法もあります。
その上で、私たち整体師ができることは、体の緊張・呼吸・自律神経という側面から、日常生活の負担を少しでも軽くするお手伝いです。医療機関での治療と、日々の体のケアは、対立するものではなく、両輪として一緒に取り組んでいただけるものだと考えています。
ひふみ整体では、姿勢や呼吸の使い方、日々の緊張のクセまで含めて、ゆっくりお話をうかがいながら全身整体でひも解いていきます。
「これくらいで相談していいのかな」と思うようなことでも大丈夫です。医療機関でのケアと並行して、体の面からできることを、一緒に探っていきませんか。











