変形性股関節症でやってはいけないことは?良かれと思って続けている習慣に注意

 

「股関節にいいと思って続けているストレッチや歩く習慣が、なんだか逆効果な気がする」

変形性股関節症と言われた方から、こうしたお話をよくうかがいます。脚の付け根を深く伸ばすストレッチ、痛みをこらえて続ける毎日のウォーキング、しっかり体を沈めるスクワット。

どれも「股関節を支える筋肉をつける」「固まらないように動かす」ためのつもりなのに、やったあとに脚の付け根が重くなる、歩き出しがつらくなる、という方が少なくありません。

 

なぜ、良かれと思って続けている習慣が、かえって股関節の負担になってしまうことがあるのでしょうか。ここでは、変形性股関節症で気をつけたい習慣と、その理由をお伝えします。

そして、ひふみ整体が大切にしている「なぜその場所に負担がかかっているのか」という考え方にも触れていきます。

なお、この記事は整形外科などで受けた説明を否定するものではありません。診断された内容を前提に、生活の中で股関節の負担を減らすヒントとしてお読みください。

 

変形性股関節症で脚の付け根に負担が集まりやすいのはどんなときか

股関節は、骨盤側のくぼみに太ももの骨の丸い先端がはまり込む、大きな関節です。

上半身の重みを受けながら、歩く・立つ・しゃがむといった動きの要になります。

変形性股関節症は、この関節のクッションがすり減り、動かしたときの痛みや、動かせる範囲の狭さとして説明されることが多いものです。

一般に、次のような場面で股関節に負担が集まりやすいとされています。

 

長時間の立ちっぱなし、歩きっぱなし
階段の上り下り、坂道
脚を深く曲げる・内側にひねる(正座、横座り、脚を組む、しゃがみ込み)
片脚に体重を預けて立つクセ
体重を支える筋肉が働きにくく、関節だけで支えている状態

逆に、座って休む、体重を分散させると楽になる、という方もいらっしゃいます。つまり、股関節のつらさは「そのときの姿勢や体の使い方」に左右されやすいということです。

裏を返せば、姿勢や体の使い方、生活習慣にアプローチできる余地があるとも考えられます。

 

まず前提として、じっとしていても痛む、夜に痛みで目が覚める、足を引きずる状態が急に強くなった、脚の長さの差が広がってきた、といった場合は、整形外科などでの検査と経過観察が欠かせません。

無理な自己判断は避けてください。

 

良かれと思って続けている習慣に注意

ここからは、「股関節のために」と思って続けている方が多いものの、変形性股関節症では負担になりやすいと考えられる習慣を挙げていきます。

すべてを一律に「絶対ダメ」と決めつけるものではなく、股関節の状態によって合う・合わないが分かれるという視点でお読みください。

 

痛みを我慢して長い距離を毎日歩く

「歩かないと固まる」「筋肉が落ちる」と考えて、脚の付け根が痛くても我慢して長い距離を歩き続ける方がいます。

股関節は体重を受ける関節なので、痛みをこらえて歩数を稼ぐと、負担が積み重なりやすくなります。

歩くこと自体は役立ちますが、「痛くなる前に切り上げる」「平らな道を選ぶ」「一度にまとめず分ける」といった工夫が大切です。

 

硬いからと股関節を深く伸ばす・反動をつけるストレッチ

「可動域が狭いから広げよう」と、開脚や、脚の付け根を反動をつけて深く伸ばすストレッチを頑張る方がいます。

痛みや詰まり感が出るところまで無理に伸ばすと、関節や周囲の組織がかえって防御的に緊張することがあります。

ストレッチは、痛みの出ない範囲で、反動をつけずにゆっくり行う方が無難です。

 

グイグイ押す・強いマッサージ

「強く押してもらうと、その場は軽くなる」という方は多いです。

ただ、強い刺激は筋肉が防御反応で余計に緊張したり、もみ返しが出たりすることがあります。

股関節のように全身のバランスが関わる場合、強さで一時的にごまかすより、なぜそこが張るのかを見ていく方が、遠回りに見えて負担が少ないと考えています。

 

痛みをこらえてスクワットや階段昇降で「鍛える」

「筋肉が弱いから痛い」と考えて、深く体を沈めるスクワットや、階段の上り下りをトレーニングとして頑張る方がいます。

どちらも股関節を深く曲げながら体重を受ける動きで、負担が大きくなりやすいものです。

支える筋肉を働かせたい場合でも、関節を深く曲げない・体重を片脚に集中させない方法を選ぶ方が安心です。

 

痛いからと動かさず、かばって過ごし続ける

痛みが怖くて体を動かさずにいると、お尻や太ももの筋肉が働きにくくなり、かえって支えが弱くなっていくことがあります。

また、痛い脚をかばって歩き続けると、反対側の股関節や、腰・膝に負担が移っていくことも少なくありません。

「動かしすぎ」も「動かなさすぎ」も、どちらにも偏らないことが大切だと考えています。

 

体重のことばかり気にして極端な食事制限

「体重を減らせば楽になる」と、食事を大幅に減らす方がいます。体重管理は一つの要素ですが、極端な制限でたんぱく質やエネルギーが不足すると、

筋肉が落ちて関節を支える力がさらに弱まったり、組織の回復がしにくくなったりします。減らすことより、支える筋肉の材料をきちんと摂ることを優先したい場面もあります。

 

 床に座る生活・深く座る姿勢を続ける

正座、横座り、あぐら、床からの立ち座り、低いソファ、脚を組む姿勢は、股関節を深く曲げたりねじったりしやすく、負担が集まりやすいとされています。

椅子とテーブルの生活に切り替える、座面を少し高くするだけでも、日常の負担は変わってきます。

 

ネットや動画の体操を手当たり次第に試す

股関節の状態や、負担が集まっている背景は一人ひとり違います。合う人には合っても、別の人には負担になる体操もあります。

いくつもの体操を一度に取り入れると、何が合って何が合わないのか分からなくなります。まずは種類を絞り、痛みの出ない・関節を深く曲げないものから、体の反応を見ながら試していくことをおすすめします。

 

ひふみ整体が大切にしている「なぜそこに負担がかかっているのか」

ひふみ整体には、「股関節にいいことをしているつもりなのに、なかなか楽にならない」というお悩みで来院される方が多くいらっしゃいます。

私たちが一貫して大切にしているのは、「なぜその場所に負担がかかり続けているのか」という視点です。

 

変形性股関節症と言われた方でも、背景は一人ひとり違います。足元のバランスが崩れて、そのブレを股関節でかばっている方、反対の脚や腰のかばい方が習慣になっている方、

骨盤が傾いて片方の股関節に荷重が偏っている方、呼吸が浅く体幹を内側から支えにくくなっている方など、さまざまです。

 

院長の大塚自身も、高校時代の左足首のケガをかばう歩き方から、寝返りも打てないほどの腰痛を経験しました。

そのとき「腰が悪いのではなく、足が問題だ」と言われ、足の動きと軸を整えてもらうことで腰の負担が大きく変わった経験が、「症状ではなく土台を見る」という今の施術の原点になっています。

 

火災報知器と火元

ひふみ整体では、施術に入る前に、火災報知器と火元のたとえで説明することがあります。

– 火災報知器=脚の付け根の痛み・歩きにくさなどの症状
– 火元=その症状を生んでいる、体のバランスの崩れ(歪み)

報知器の音だけを止めても、火元が残っていれば火は消えません。

だからこそ、症状だけでなく、その奥にある原因に目を向けることを大切にしています。

※これは説明のためのたとえで、医学的な事実を述べたものではありません。

 

股関節のつらさの背景として考えられること

ひふみ整体では、股関節の症状を股関節だけの問題として見ません。次のような視点から、キネシオロジー・筋力テスト(体の反応を確認する検査法)で一つずつ確認していきます。

 

姿勢(骨盤の傾き・左右の重心差)

骨盤が前や横に傾いていると、片方の股関節に荷重が偏りやすくなります。反り腰、背中の丸まり、立つときに片脚へ体重を預けるクセなども合わせて確認します。

 

足元のバランス

足指がうまく使えていない、重心がかかとや外側に偏っているなど、土台のブレを股関節でかばっているケースは少なくありません。ひふみ整体が「足元=体の土台」を重視するのはこのためです。

 

膝・腰との連動

股関節は、膝と腰にはさまれた関節です。足首や膝の動きが硬いと、その分を股関節が余計に動いて補い、逆に股関節をかばうと腰や膝に負担が移ります。上下のつながりで負担の出どころを見ます。

 

筋膜のつながり

体の側面を通るライン(ラテラルライン)は、骨盤や股関節の左右バランスに関わります。

脚の前後を通るラインの偏りも含めて、股関節から離れた部位に負担の出どころがないかを確認します。

筋膜のつながりは、原因を考える視点の一つとして、他の視点と合わせて用います。

 

呼吸

呼吸が浅いと、体幹を内側から支える深層の筋肉が働きにくくなり、骨盤まわりの安定性が下がることがあります。

 

自律神経

緊張状態が続くと、お尻や太ももまわりの筋肉が抜けにくくなり、血流も下がりやすくなります。

「動くとまた痛むのでは」という不安がさらに緊張を生む、という悪循環も起こりやすいところです。

 

東洋医学の視点

東洋医学では、股関節を含む腰から下肢は「腎(じん)」との関わりが深いとされます。

腎は加齢・冷え・慢性的な疲れで働きが下がると考えられ、脚の付け根から下肢にかけての重だるさと結びつけて捉えます。

また「肝(かん)」は筋肉の状態と関わるとされ、関節を支える筋の緊張・ゆるみのバランスに関与すると考えます。

 

冷え・栄養

股関節まわりが冷えて血流が落ちていないか。

また、良質なたんぱく質は関節を支える筋肉や周囲の組織の材料になります。

砂糖・小麦・植物油の摂り過ぎは体内の炎症を招きやすいと考えられており、回復のしにくさに関わる視点として確認します。

これらのうち「どれか一つが原因」と決めつけず、複数の要素がどう重なっているかを見ていきます。

 

今日からできるセルフケア

検査を受ける前でも、股関節の負担を減らす方向で試せることがあります。無理のない範囲で取り入れてみてください。

深い屈曲・ねじれを減らす工夫:正座や横座り、床からの立ち座りを減らし、椅子とテーブルの生活へ。座面は少し高めにし、脚を組まない。
歩き方・休み方の工夫:痛くなる前に切り上げる。平らな道を選ぶ。長時間の立ちっぱなしを避け、こまめに座って休む。杖の使用を考える場合は医療機関にも相談する。
温める:股関節・お尻まわりを冷やさない。湯船につかる時間をとる。
足指:足指を軽く広げる・握るストレッチ。歩くときに足指で地面を押すことを意識する。
よくなる呼吸(4-9呼吸):鼻から4秒かけて吸い、9秒かけてゆっくり長く吐く。秒数は目安なので、苦しいときは吐く息を少し長くするだけでもかまいません。吐くときにお腹や脚の付け根がゆるむのを感じてみてください。
ストレッチ:お尻や太ももの筋肉を、痛みの出ない範囲で、反動をつけずにゆっくりゆるめる。強く伸ばしすぎず、気持ちいいところで止めます。

じっとしていても痛む、夜間の痛みがある、歩きにくさが進んでいると感じるときは、自己判断で運動やストレッチを無理に行わず、まず専門機関で状態を確認してください。

 

ひふみ整体でできること

ひふみ整体は医療機関ではないため、変形性股関節症という診断名に対して「改善します」とお約束することはできません。

できるのは、

– 脚の付け根・お尻・脚のつらさが、体のどの使い方から来ているのかを検査で探ること
– 見えてきた原因に対して、体の外側(姿勢・関節・筋肉)だけでなく、内側(呼吸・自律神経・内臓のバランス)まで含めて整えていくこと
– 片脚に体重が偏る立ち方や歩き方のクセを、負担の集まりにくい形へ一緒に見直していくこと
– 同じところに負担が集まりにくい生活習慣を、無理のない範囲で提案すること

「良かれと思ってやってきたことを、一度整理したい」

そう感じている方は、いまのつらさの背景を、いっしょに見直してみませんか。まずはお体の状態を検査するところから始められます。

股関節の習慣を見直したい方は、神戸三宮のひふみ整体へお気軽にご相談ください。

 

FAQ案

Q. 変形性股関節症で歩くのはやめた方がいいですか?
A. 歩くこと自体は役立ちますが、痛みを我慢して長い距離を毎日歩くと、体重を受ける股関節に負担が積み重なりやすくなります。痛くなる前に切り上げる、平らな道を選ぶ、一度にまとめず分けるといった工夫をおすすめします。痛みが強い時期は距離や頻度を控え、専門機関に相談してください。

Q. 股関節が硬いので、開脚ストレッチで広げても大丈夫ですか?
A. 痛みや詰まり感が出るところまで無理に伸ばすと、関節や周囲の組織がかえって緊張することがあります。痛みの出ない範囲で、反動をつけずゆっくり行うことが基本です。合う・合わないは状態によって異なるため、迷う場合は施術者や専門機関に相談してください。

Q. 変形性股関節症と言われました。整体を受けても大丈夫ですか?
A. じっとしていても痛む、夜間痛がある、歩きにくさや脚の長さの差が進んでいるといった場合は、まず整形外科などでの検査と経過観察を優先してください。そのうえで、体の使い方の面から股関節の負担の背景を確認したい場合に整体という選択肢があります。ひふみ整体では初回に検査を行い、対応できる範囲かどうかを確認します。

Q. 手術をすすめられています。整体に通えば手術を避けられますか?
A. 手術の要否は、診断を受けた医療機関で判断されるものです。ひふみ整体は手術の代わりになるものではなく、その判断に意見を述べる立場でもありません。手術前後の時期に、体の使い方や生活習慣を見直したいという目的で利用される方はいらっしゃいます。

Q. 病院の診断を否定されるのですか?
A. いいえ。ひふみ整体は医療機関の診断を否定しません。診断を前提としたうえで、「なぜその場所に負担がかかるのか」「なぜそのクセが定着したのか」を検査で探り、生活の中で負担を減らす方向をご提案します。

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