五十肩で夜中に痛くて目が覚める…昼間より夜に痛むのはなぜ?

 

昼間、家事や仕事をしているときはそれほどでもないのに、夜、布団に入って横になった途端に肩がズキズキしてくる。

寝返りで肩が下になると激痛で目が覚める。腕をどこに置いても落ち着かず、明け方まで眠れない。

五十肩でこうした「夜間痛(やかんつう)」に悩まされている方は、とても多くいらっしゃいます。

そして「日中よりも夜に痛むのはなぜだろう」「じっとしているのに、どうして?」と、不安に感じている方も少なくありません。

 

ひふみ整体では、肩の痛みを肩だけの問題として捉えず、姿勢・呼吸・自律神経・血流・生活習慣など、身体全体のつながりから考えます。

今回は「五十肩の夜間痛」について、昼より夜に痛みが強くなりやすい背景を、一緒に整理していきます。

 

五十肩(肩関節周囲炎)とはどんな状態か

五十肩は、正式には「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」と呼ばれます。

40〜60代に多く、はっきりしたきっかけがないのに肩が痛み出し、だんだん腕が上がらなくなる、後ろに手が回らなくなる、といった動きの制限が出てくるのが特徴です。

 

肩関節は、関節を包む「関節包(かんせつほう)」という袋や、その周りの腱、滑液包(かつえきほう)といった組織に囲まれています。

五十肩では、これらの組織に炎症が起こり、時間が経つと関節包が硬く縮んで動きにくくなっていくと考えられています。

 

一般的には、痛みが強い「炎症期」から、動きが硬くなる「拘縮期(こうしゅくき)」、少しずつ動きが戻る「回復期」へと、年単位で移り変わっていくとされています。

夜間痛がとくに強く出やすいのは、炎症が活発な時期です。

 

「夜だから気づきやすい」だけではありません

まず知っておいていただきたいのが、夜に痛みを強く感じる理由には、環境的な要因も関わっているということです。

昼間は、仕事や家事、会話など、意識が外に向いています。そのため、多少の痛みがあっても気づきにくく、やり過ごせてしまうことがあります。

一方で夜、静かになって横になり、他にすることがなくなると、それまで意識の外にあった痛みに注意が向きやすくなります。

ただ、五十肩の夜間痛は、それだけでは説明がつかないほどはっきりと強く出ることが多いものです。

そこには、身体の状態そのものの変化も関わっていると、ひふみ整体では考えています。

 

なぜ昼より夜に痛みが強くなりやすいのか

夜間痛の背景には、一つだけの原因があるわけではありません。ひふみ整体では、次のような複数の視点を組み合わせて考えます。

 

寝ている姿勢と腕の重み

立っているときは、腕の重みが自然に下へ抜けていきます。ところが横になると、肩関節に対して腕の重みが横向きや後ろ向きにかかり、

炎症を起こしている関節包や腱が引っ張られたり、圧迫されたりしやすくなります。

 

とくに痛む側の肩を下にして寝ると、体重で肩が押しつぶされる形になります。

上向きで寝ても、腕をまっすぐ体の横に置くと関節が伸ばされて痛むことがあり、「どこに腕を置いても落ち着かない」という状態になりやすいのです。

 

夜間の血流の低下と、くすぶる炎症

日中は身体を動かすことで、肩まわりの血液やリンパの流れがある程度保たれています。

動きが一種のポンプの役割を果たしているためです。

 

夜、じっとしていると、この動きによる循環の助けがなくなります。

さらに就寝中は体温がやや下がり、末端の血流も落ちやすくなります。

炎症を起こしている組織の周りで血流が滞ると、炎症によって生じた物質が排出されにくくなり、内部の圧力が高まって、痛みとして感じられやすくなると考えられています。

 

ひふみ整体では、炎症を「悪いもの」ではなく、本来は身体を守るための反応と捉えています。

問題になるのは、その炎症が必要以上に長く続き、血流や組織の回復力が落ちた状態でくすぶり続けることです。

夜間痛は、その炎症が夜の巡りの悪さと重なって表面化しやすい時間帯に起きている、という見方をします。

 

身体を守るホルモンのリズム

私たちの身体には、炎症や痛みをやわらげる働きを持つホルモン(コルチゾール)があります。

その分泌には、朝に高く、夜から明け方にかけて低くなるという一日のリズムがあるとされています。

そのため、日中は抑えられていた炎症由来の痛みが、ホルモンの働きが弱まる夜間から明け方にかけて感じられやすくなる、と一般的に説明されています。

「明け方にいちばん痛くて目が覚める」という方が多いのは、この時間帯のリズムとも関係している可能性があります。

 

自律神経の切り替わり

昼間は交感神経が優位で、身体が活動モードで働いています。

夜はリラックスモード(副交感神経優位)へ切り替わり、筋肉がゆるみ、血流が回復に向かうのが本来の流れです。

ところが、緊張状態が長く続いていると、この切り替えがうまくいかず、夜になっても肩まわりの筋肉に力が入ったままになることがあります。ひふみ整体では、交感神経が優位なまま緊張が抜けない状態を「過緊張(かきんちょう)」と呼んでいます(臨床経験から用いている独自の考え方で、医学的な診断名ではありません)。

過緊張が背景にあると、眠っている間も肩や首の筋肉がこわばり、関節を守るクッションのような働きが落ちて、寝返りのわずかな動きでも痛みが出やすくなると考えられます。

 

日中に積み重なった緊張

肩や首まわりの緊張は、朝より夕方から夜にかけて強くなりやすいものです。

デスクワーク、スマートフォンの操作、家事など、日中ずっと前かがみ・巻き肩の姿勢が続くと、その負担が一日の終わりにピークを迎えます。

「朝は比較的動かせるのに、夜になるとこわばって痛い」という感覚がある方は、この視点が当てはまるかもしれません。

 

なぜ肩関節にそこまで負担が集まるのか

ひふみ整体がもう一つ大切にしているのが、「そもそも、なぜその肩関節に負担がかかり続けているのか」という視点です。

腕を上げる動作は、肩関節だけで行っているわけではありません。

肩甲骨が背中の上をなめらかに滑り、鎖骨や背骨、肋骨の動きも連動して、はじめてスムーズに腕が上がります。

 

ところが、猫背や巻き肩で肩甲骨の動きが乏しくなっていると、腕を上げる負担が肩関節の一点に集中しやすくなります。

呼吸が浅く胸式中心になっていると、肩や首の筋肉が呼吸を助けるために働き続け、肩まわりが常に緊張した状態になります。

こうした負担の偏りが長く続いたところに、炎症が起きやすい土台ができていた、という見方をします。

 

同じ五十肩でも、背景にあるものは一人ひとり違います。

だからこそ、肩そのものだけでなく、肩甲骨・背骨・呼吸・全身のバランスまで含めて、キネシオロジー・筋力テスト(身体の反応を確認する検査法)で一つずつ確認していきます。

 

東洋医学の視点

東洋医学では、肩の不調をいくつかの角度から捉えます。

肝(かん):筋肉やその伸び縮みと関わりが深く、ストレスや我慢による「気」の滞りが、筋肉のこわばりとして現れると考えられています。
腎(じん):加齢に伴う身体の変化や、夜・冷えと関わりが深いとされます。五十肩が中高年に多いこと、夜間や冷えで痛みが強まりやすいことを、腎の観点から捉えることがあります。

これらは西洋医学的な説明と対立するものではなく、「もう一つの視点」として、体質や生活習慣との関連を確認する手がかりにしています。

 

ひふみ整体の考え方

ひふみ整体では、五十肩の夜間痛を、肩関節という一点だけで考えません。

寝ている姿勢と腕の重み、夜間の血流の低下、くすぶる炎症、ホルモンのリズム、自律神経の切り替わり、日中に積み重なった緊張、そして肩甲骨や呼吸を含む全身のバランス。

これらがどう重なっているかを検査で確認し、その方ごとに背景にあるものを探っていきます。

 

ひふみ整体は医療機関ではないため、五十肩という状態に対して「治します」とお約束することはできません。

できるのは、肩関節に負担が集まりにくい身体の使い方を検査で探り、身体の外側(姿勢・関節・筋肉)だけでなく内側(呼吸・自律神経・血流のバランス)まで含めて整え、

炎症が長引きにくい生活習慣を一緒に見直していくことです。

 

今日からできるセルフケア

痛みの強い時期は、無理に動かすことよりも、負担を減らして眠りやすくすることを優先します。

寝るときの腕の位置を整える:あお向けのときは、痛む側のひじから前腕の下に、たたんだバスタオルや薄いクッションを置いて、肩が後ろに落ち込まないように支える。横向きなら痛む側を上にして、胸の前に抱き枕やクッションを置き、その上に腕をのせる。
寝る前に肩を温める:蒸しタオルやホットパックで肩の前から横をじんわり温め、夜間に落ちやすい血流を助ける。熱すぎない温度で10分ほど。
振り子運動(痛みの出ない範囲で):テーブルなどに反対の手をつき、軽く前かがみになって痛む側の腕の力を抜き、前後・左右に小さく揺らす。振り幅は小さくてかまいません。動かすと鋭く痛む時期は無理をしない。
日中の巻き肩を戻す:1〜2時間おきに、両肩をすくめてストンと落とす、胸を開いて肩を後ろに引く動きを数回。負担の偏りを一日の中でリセットするイメージで。
4-9呼吸:鼻から4秒吸い、9秒かけてゆっくり長く吐く。秒数は目安なので、苦しいときは吐く息を少し長くするだけでも。就寝前に行うと、肩まわりの力みがゆるみやすくなります。
炎症を長引かせない食事の意識:砂糖・小麦・揚げ物や植物油の摂り過ぎは体内の炎症を招きやすいとされます。卵・魚・肉など良質なたんぱく質は組織の回復に関わります。
肩を冷やさない:夏の冷房や薄着で肩を冷やさないよう、就寝時も肩まわりを覆う。
就寝前のカフェイン・スマートフォンを控える:自律神経が休息モードに切り替わりやすくなります。

これらはあくまでセルフケアの一つであり、すべての方に同じように当てはまるわけではありません。

 

こんなときは医療機関へ

次のような場合は、整形外科などでの検査を優先してください。

– 転倒や腕を強くひねったあとから痛み出し、自分では腕をほとんど上げられない(腱板が切れている可能性)
– 肩の腫れ・赤み・強い熱感があり、発熱を伴う
– じっとしていても激しい痛みが数日以上続き、眠れない日が重なっている
– 首の痛みや、手・腕のしびれ、力の入りにくさを伴う
– 糖尿病や甲状腺の病気で治療中である(五十肩が長引きやすいとされ、経過の確認が役立ちます)

 

整形外科では、注射やヒアルロン酸、リハビリテーションなど、時期に応じた対応があります。

ひふみ整体は、こうした医療機関の対応を否定しません。診断や検査結果を前提としたうえで、身体の使い方や生活習慣の面からできることを考えていきます。

 

おわりに

五十肩の夜間痛には、「静かで気づきやすい」という環境の要因に加え、寝ている姿勢、夜間の血流の低下、くすぶる炎症、ホルモンのリズム、自律神経の切り替わりなど、いくつもの要素が重なっています。「じっとしているのに痛むのは、気のせいでも我慢が足りないわけでもありません」。

眠れない夜が続くと、それだけで心身がすり減っていきます。一人で抱え込まず、痛みの背景にあるものを一緒に整理していくことも一つの方法です。

ひふみ整体では、キネシオロジー・筋力テストなどの検査を通して、肩甲骨や姿勢、呼吸、自律神経、生活習慣など、五十肩の夜間痛の背景にあるものを一緒に探っていきます。神戸三宮のひふみ整体へ、お気軽にご相談ください。

 

FAQ

Q. 五十肩はなぜ夜に痛みが強くなるのですか?
A. 静かな環境で痛みに気づきやすくなることに加え、横になると腕の重みが炎症のある関節包や腱にかかること、就寝中は動きによる血流の助けがなくなり炎症部の巡りが滞りやすいこと、

痛みをやわらげるホルモンの分泌が夜間から明け方に低くなるとされること、自律神経の切り替わりがうまくいかず筋緊張が抜けないことなどが重なっていると考えられます。

 

Q. 夜間痛があるときは肩を動かしたほうがいいですか?
A. 痛みが強い時期は、無理に動かすより負担を減らして眠りやすくすることを優先します。

痛みの出ない範囲での小さな振り子運動や、日中の巻き肩を戻す動きは取り入れやすいですが、動かすと鋭く痛む場合は控えてください。

 

Q. 五十肩は整体で治りますか?
A. ひふみ整体は医療機関ではないため「治す」とはお伝えできません。

検査を通して、肩関節に負担が集まりにくい身体の使い方や、炎症が長引きにくい生活習慣を一緒に見直し、身体が整いやすい状態をサポートすることを大切にしています。

 

Q. 病院にも行ったほうがいいですか?
A. 転倒後に腕が上がらない、肩の腫れや熱感・発熱がある、手のしびれを伴う、糖尿病などで治療中といった場合は、

整形外科での検査を優先してください。ひふみ整体は医療機関の対応を否定せず、診断を前提に身体の使い方の面からできることを考えます。

 

お知らせ | 五十肩 | 腕の痛みの最新記事

採用情報
スタッフ紹介
院内のご案内 お問い合わせ

おすすめ記事

ページ上部へ戻る